
地震や台風などの災害が発生すると、介護施設において最も深刻な問題のひとつが「衛生環境の悪化」です。入浴や洗髪ができない状況が続くと、不快感だけでなく皮膚疾患や感染症のリスクが高まります。特に免疫力が低下している高齢者にとっては、わずかな不衛生が命に関わることもあります。
この記事では、災害時の衛生リスクと、施設が取るべき感染症対策、さらに少ない水で清潔を保つ具体的な方法について解説します。
災害時に高まる衛生リスク

- 入浴・洗髪ができない:汗や皮脂が蓄積し、皮膚トラブルの原因に。
- 排泄ケアが滞る:断水や人員不足で処理が遅れ、臭気や感染源となる。
- 寝たきり高齢者の褥瘡(床ずれ):清潔維持が不十分だと悪化しやすい。
- 集団生活による感染症拡大:1人の不衛生が周囲へ広がる可能性もある。
これらは単なる不快感ではなく、命を左右する重大な課題です。
感染症対策としての清潔維持

介護施設におけるBCPでは、食料や電源と同じくらい「清潔の確保」が重視されます。
- 皮膚疾患予防:汗や皮脂を取り除き、皮膚を清潔に保つ。
- 褥瘡の悪化防止:寝たきりの方は特に皮膚管理が重要。
- 呼吸器・泌尿器感染症の予防:不衛生な環境は体力の低い高齢者に直結。
災害時だからこそ、普段以上に「感染を広げない工夫」が必要です。
少量の水で清潔を守るケア機器
断水時に清潔をどう守るか――ここで役立つのが、少量の水で全身を洗浄できる機器です。

例えば スイトルボディ は、ベッド上にいながらでも使用でき、わずか約1リットルの水で成人男性の全身を約15分で洗浄できます。髪の毛も洗えるため、断水時でも快適に過ごせる環境を整えることができます。
実際に能登半島地震でも「水が限られる中で清潔を保てた」と現場から喜びの声がありました。日常介護に使えるだけでなく、非常時にも安心を届けられることが大きな強みです。
能登半島地震の時の様子



すでに被災地でもスイトルボディは活躍しているように、約1リットルの少ない水で全身の「予洗い→洗身→すすぎ」まで対応可能(洗髪も可能)。いざという震災時にも少量の水で体を洗える安心に備えることができます。
平時と非常時をつなぐ備え
普段の介護で利用している機器をそのまま災害時に使えることは、職員にとっても大きな安心です。
日常的に使い慣れているため、訓練なしでも自然に活用できます。
さらに、停電時にはポータブル蓄電池を併用することで使用が可能になります。電源と組み合わせて備えることで、「断水と停電が重なる最悪の状況」でも清潔を守ることができます。

まとめ
介護施設における衛生管理は、災害時にこそ重要度が高まります。清潔を守れなければ、入居者の不快感やストレスだけでなく、感染症や健康悪化を引き起こしかねません。
スイトルボディは、少ない水で全身を清潔に保てるケア機器として、日常と非常時の両方に対応できる心強い存在です。施設のBCPの一環として、清潔を守る備えをぜひ見直してみてください。